多良間島生まれのおとうが建てた 所沢の音楽居酒屋 たらまガレージ
◆所沢でみつけたフリーキーなスペース
埼玉県所沢市に小手指(こてさし)という駅がある。 池袋から西武池袋線の急行で約30分。 駅前のロータリーを抜けるとすぐに住宅街が拡がる 東京のベッドタウンだ。
さらに南口から丘を一つ越えて
クルマで10分あまり。
目指す「たらまガレージ」は忽然と現れる。
平屋の赤い提灯が下がっているところが 「居酒屋たらま」の入口。
緑と白のテントが張りだしている部分が
隣接する「たらまガレージ」だ。
引き戸やシャッターには所狭しと
ライブのポスターが貼ってある。
中川五郎、AZUMI、塚本功、山北健一、
KOTEZ、野澤亨司、ながはら源 日倉士歳朗、W.C.カラス、小野一穂、
井上JUJU博之。スーマー etc・・・・・。 ライブの現場で腕をあげてきた名うてばかり。たまらなく魅力的なメンバーだ。
◆多良間島から所沢へ
店名は、店主の“おとう”こと美里こうじさんが生まれた「多良間島」からつけられた。宮古島と石垣島の間にある小さな島だ。
→多良間村役場のサイト おとうは、沖縄が返還される3年前に上京。子どもたちを育てながら、八百屋のおやじさんとして懸命に働いた。 齢八十歳と聞いたが、年齢を尋ねるのがはばかられるほど、イキイキとしている。 所沢に来たのはなぜですか?と尋ねたら「都会に来たかったからさ」と笑う。
現在は「たらまガレージ」と内部で隣り合う居酒屋「たらま」が、おとうの仕事場だ。 心づくしの料理が並ぶ打ち上げには、毎度おとうが三線と自慢の喉を披露。興が乗ったミュージシャンとセッションが始まることもある。 そして皆、次からは、おとうに会うのが楽しみで、たらまにやってくるようになるのだ。 そんなたらまの魅力をもう少し知りたくて 7月のある日、ブッキングを主に担当している樽谷慎二さんにお話を伺った。
樽谷さんは、地元所沢で農業を営むミュージシャン。 先にフロポで紹介したDELTA BEATのディレクションを務めた人物でもある。 ライブ当日は音響係を務めたり、ギタリストとしてサポートに回ったりと、何かと忙しい。
◆がつがつやる感じじゃないのがいい
――たらまガレージの「たらま」は沖縄の多良間島からきているんですよね。
樽谷 多良間生まれの「おとう」が、一人でコツコツ建てたんです。もともとおとうが、ここで八百屋やってたんだけどね。やりたい人がいるなら、好きに使ってもらえればいいんじゃないの?って。(写真右の御手洗も、もちろんおとうの手作り)
――1人で!すごいバイタリティ。打ち上げでは、おとうの三線と出演者でセッションが始まったりするんですよね。ライブが始まったのは、いつごろですか。
樽谷 2011年頃からかな。最初はクラリネットのアンサンブルとかスティールパンをやったこともありました。本格的にやることになったのは、2013年9月のW.C.カラスからだったかな。10月の豊田勇造さんで40回、早いよね。
――地理的には決して恵まれているとは言えませんが、この2年間で他の店でもなかなかない魅力的なラインナップですね。
樽谷 いつのまにか、こうなってましたよね。演者さんは、やりやすいって言ってくれます。
――他の店にない、このムードも大きいのでしょうね。
樽谷 演者さん含めて、みんなで楽しむ感じがありますよね。がつがつやる感じじゃない。そこがいいのかもしれない。
――所沢界隈にはミュージシャンの方も、たくさん住んでいらっしゃるんですよね。
樽谷 そうなんだよね。鈴木常吉さん、梅津和時さん、井上JUJU博之さん・・・・・・皆さん出ていただいた。お店も所沢駅周辺には「MOJO」があるし、「ホーボーズ」もあるし(※一旦閉店し移転するそうです)、お隣の狭山には「Fellows」もあるし。
――これからの展望は? 樽谷 今までどおりやっていくんじゃないかな。おとうにはできるだけ長生きしてもらってね。お電話いただければ、駅までのお迎えもありますから、皆さん一度来てください。
(左写真は、たらまのアイドル、カル。ただし人見知り)
◆住所 埼玉県 所沢市小手指南2-5-2 (西武池袋線 こてさし駅下車徒歩20分)
◆Phone 04-2948-9672(LIVEの日のみ) 090-1046-4123
2015年9月以降の予定
9月13日(日) コージー大内
9月27日(日) スーマー 10月18日(日) 小野一穂
10月26日(月) 第40回スペシャルライブ~豊田勇造(※19:00START)
11月8日(日) Chihana
11月15日(日) AZUMI
12月13日(日) ちみん、工藤桂
12月20日(日) 山北健一
☆基本は17:30START 投げ銭+ドリンク