カルメン・マキの7inchアナログ盤を聴く。 月明かりのような歌「デラシネ」 5月に西日本ライブツアー!
カルメン・マキが3月に発表した7inchアナログ盤「デラシネ」c/w「望みのない恋~挿入朗読詩:波の音」を聴いた。
近年ライブで好評を得ている2曲ということもあり、じっくり熟成された味わいだ。
プロデュースには、ギタリストの桜井芳樹(ロンサム・ストリングス、シカラムータ他)。サポートに桜井芳樹(g)、清水一登(p)、西嶋徹(contrabass)、椎野恭一(dr)。
◆月明かりのような歌「デラシネ」
清廉なピアノの音色に引きこまれる「デラシネ」は、カルメン・マキ自身の詞。 ひと言で言うなら美しい。
こころを照らす月明かりのような歌だ。
正確には、こころの細かな傷まで浮かび上がらせる歌だと感じた。
自由でありたいと願う人は、デラシネ=根なし草のような生き方にあこがれる。殻を破って踏み出すことで広がる世界で出会う人は計り知れない。同じだけの別れも経験するだろう。何かを棄てなければいけないこともあるかもしれない。
「デラシネ」に耳を傾けていると、そうした過ぎ去った時間が、一気にこみあげてくる。あの人、この人の顔が浮かび、封印していた気持ちまで表にさらされる。
それらの魂をカルメン・マキの歌声はふわりと包み込み、未来へと運んでいく。時の流れと抗いながらも、日々を生きていけばいいと教えてくれる。 詞に寄り添う桜井李早のメロディからあふれる生命力も、デラシネたちの人生を後押しする。
◆寺山修司の詞の朗読をはさむ「望みのない恋~波の音」
一方、もの悲しいコントラバスで始まる8分に及ぶ「望みのない恋」は、スペインの詩人・劇作家、フェデリコ・ガルシア・ロルカの作品に長谷川四郎が日本語詞をつけたもの。途中に寺山修司作の「波の音」の朗読が挿入される。
夜と昼、生と死、距離の縮まることのないあなたとわたし。
ひと言ひと言に、はかない気持ちを奮い立たせているような強さがある。
そして歌声もまた、一段一段と心に降りていき、じわじわと広がっていくようだ。
桜井芳樹のギターと西嶋徹のコントラバスがカルメン・マキの声と溶け合い、朗読から再び「望みのない恋」へと転換していく様は見事。詞がかたちになり、曲から立体的な風景が浮かび上がる。
歌からも演奏からも楽曲からも、アナログならではのふくよかさが感じられる作品だ。
カルメン・マキ「デラシネ」
c/w 「望みのない恋~挿入朗読詩:波の音」
(galabox disc glax-001)\1,500+税
○仕様:7inch アナログ盤 33RPM
○発売日:2017年3月22日
○販売 [galabox] ( http://www.galabox.net/)
[diskunion]、武蔵小山[PET SOUNDS RECORD] 、ライブ会場
★OTOTOYでハイレゾ配信 http://ototoy.jp/_/default/p/72420
■カルメン・マキ オフィシャルサイト http://carmenmaki.com/
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カルメン・マキ「デラシネ」発売記念ツアー
~私とデラシネ~
カルメン・マキ(歌と朗読)、桜井芳樹(g)、清水一登(pf)、佐野篤(b)、椎野恭一(dr)
★全公演共通予約フォームhttp://galabox.net/script/mailform/maki/
◆ 5月8日(月)名古屋 TOKUZO
open 18:30 start 19:30
前売¥4000 当日¥4500 (+1drink)
問 052-733-3709 TOKUZO http://www.tokuzo.com/tel:
◆5月9日(火)京都 磔磔
open 18:00 start 19:00
当日¥4000 前売¥4500 (+1drink)
◆5月10日(水)広島 カフェ・テアトロ アビエルト
open 18:30 start 19:30
前売¥4000 当日¥4500 (+1drink)
予約 tel.082-873-6068
(イベント当日以外は18:30~20:30)
email@cafe-abierto.sakura.ne.jp
(①イベント名②お名前③枚数④電話番号)
※JR可部線 上八木駅からすぐです。ご来場には公共交通機関をご利用ください。
◆5月11日(木)岡山 城下公会堂
open 18:30 start 19:30
当日¥4000 前売¥4500 (+1drink)
メール受付 ticket@shiroshita.cafe